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╋■┛ 知っておきたい退職金優遇税制
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退職金の優遇税制をご存じでしょうか?若いサラリーマンには馴染みがないかも
しれませんが、退職時期が近づくに従い身近なものになってきます。

退職一時金は退職所得として、給与所得や不動産所得、雑所得などとは合算され
ず個別に所得税の税率が適用されます(分離課税方式)。税負担が軽くなるよう特
別に扱われる理由は、退職金が長年の勤務に対する功労・慰労を意味する対価であ
り、退職金を受け取る本人にとって、老後の生活の保障となる場合が多いためです。
実際、長年勤務したサラリーマンが例えば1500万円の退職金を受け取ったとし
ても、現在の給与と合算して課税されてしまうと、4割近く税金を取られてしまう
可能性もあり、老後の生活が脅かされてしまうため、税が優遇されるのです。

同様の理由で、控除が手厚いのも特徴です。勤続20年以下では、40万円×勤
続年数が退職所得控除額となります。さらに勤続20年超の人は、20年を超える
部分について70万円×勤続年数が退職所得控除額となる仕組みとなっています。
実際の課税対象となる退職所得は、退職一時金からこの控除額を引いた後の額の
1/2となるため相当控除が厚いといえます。20年を超える部分の控除額が増額
されているのは、長年の勤続に対するいわゆるご褒美的は意味合いが強いのではな
いかと思います。これまでの日本における終身雇用の中で培われたものといえるで
しょう。

ところが、働き方改革が叫ばれ、「同一賃金、同一労働」「ダイバーシティ」等
の言葉が生まれ、終身雇用が必ずしも美徳とはならない世の中になってきました。
慢性的な人手不足により、人材の流動化も進んでいくでしょう。このような世間の
流れに対し、1つの会社に居続けたほうが退職一時金の手取りが有利になることを
意味する退職金優遇税制は必ずしも時代の要請に合っていないのかもしれません。

昨年11月に公表された政府税制調査会の中間報告書に「退職所得控除は勤続期
間が20年を超えると控除額が急増する仕組みになっていることが、転職に対して
中立的ではなく、働き方の多様化を想定していないとの指摘がある」との一文が加
えられました。日本の終身雇用慣行が縮小し転職が一般的になる中で、現行制度は
転職者に不利な内容となっており、これを解消するというわけです。今後の税制改
正で退職一時金の控除制度見直しも、多様な働き方への対応という流れの中でその
対象位置づけられる可能性が高まっています。勤続20年超の優遇部分が見直しの対
象になるとは思われますが、1つの会社に勤続20年超の人にとっては増税になっ
てしまいます。また分離課税をどうするかの議論もあるでしょう。老後の資産形成
にも影響する話題ですので、今後の制度設計の議論に注目です。

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※掲載内容は、2018年06月26日時点での法律等をもとに作成したものです。