お金を貯めるために必要なことといえば、「収入を増やす」「節約する」等が思いつくかもしれません。しかし、収入が多くてもお金が貯まらない場合や、むやみやたらと節約しても非効率な場合もあるものです。

投資や貯金に詳しい角田和将さんは、「お金を貯めるための大前提として、お金をどう管理し、どう使うと貯まるのかを考える力=“お金が貯まる思考力”を身につけることがポイントです」と話します。では、お金が貯まる思考力とはどんなものなのか、次のQ&Aに回答しながらその考え方をつかんでみてください。

Q.“お金が貯まる思考力”を身につけるために、まず意識すべきことは?

A.自分のお金の流れを把握する

“お金が貯まる思考力”を持つ人は、「自分が何にいくらお金を使っているか」というお金の流れを把握できています。お金の流れを把握していなければ、何をどう減らし、どういう方法で増やしていくべきかという考えをめぐらせることができません。お金を貯めるにはまず、お金の流れを知って現状を把握し、そこからどうするべきかを考えてみましょう。

Q.支払い方法は現金とキャッシュレス、どちらのほうが貯まりやすい?

A.キャッシュレスの支払いはお金の流れを把握しやすい

現金での支払いは、お金を引き出したり保管したりといった手間がかかるうえに、お金の流れを把握するにはレシートを保管して、家計簿をつけなければなりません。しかし、クレジットカードや電子マネー等のキャッシュレスでの買いものは、何にいくら使ったのかが明細として自動的に記録に残り、家計簿をつけなくてもお金の流れが把握できます。そのため、無駄を減らして貯金を増やすといった改善もしやすいといえます。

Q.お金の貯まるクレジットカードの使い方とは?

A.利用限度額を平均支出額に合わせて見直す

クレジットカードの利用限度額は利用者の年収に応じて設定されていますが、使いすぎを防ぐためには、その限度額を毎月の平均支出額に合わせて設定しなおすことがおすすめです。ただし、利用限度額は一度下げてしまうと再び上げる場合は審査に時間がかかるため、慎重に設定しましょう。そのほか、分割払いやリボ払い、キャッシング等を極力利用しないようにすることも、お金を貯めるポイントです。

Q.まとまったお金ができたら銀行に預ける?貴金属等を買う?

A.現金以外の資産購入はリスク回避にもなる

銀行の預金金利は、最もいいとされるネット銀行の定期預金でも0.2%。一方、貴金属は長期的に見ると資産価値が安定的で、価値が上がったときに売れば、銀行預金以上の価値を手に入れることが可能です。現金はインフレ等によって価値が下がるリスクがありますが、貴金属等の現金以外の資産を持つことで、そうしたお金のリスクを回避する大切な手段となるのです。

Q.自分の好きなものと、みんながほしがるもの、どっちを買う?

A.買いものをするときは「売れるかどうか」を意識する

近年はメルカリやヤフオク等を利用した個人間取引が広まっており、「いらなくなったものは売る」という行為が日常的になっています。だからこそ、何かを買うときは「売れるかどうか」を意識することが大切。それは「自分が好きかどうか」以上に、「みんながほしがるものかどうか」という視点で商品を見定めることになります。こうした視点を持つと無駄な買いものが減り、価値あるものを選ぶ目が磨かれて、売る際にも高く売ることができます。 こうした考え方をはじめとした“お金が貯まる思考力”を磨いて、より合理的な貯蓄を実践してみてください。

 

監修 角田和将(つのだ・かずまさ)さん

国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。国内最大規模の投資学校「FX ミリオネアアカデミー」で2013~2015年の間、認定講師として活動。約1000名の受講生に対して、会社員時代の経験を活かした独自理論に基づく教育を行い、月収数十万円~数百万円の利益を上げるトレーダーを多数輩出してきた指 導実績を持つ。

著書に『「節約ゼロ」で毎月3万円貯まる! 貯金ドリル』(総合法令出版)をはじめ、『出口から考えるFX』(パンローリング)、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)等があり、著書累計は32万部を超えている。

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