平成27年の税制改正により相続について新聞や雑誌等などで話題になっています
が、贈与に関しては相続ほど多くありません。しかし相続税制改正では相続税が増
税となった分、贈与は減税となっています。具体的には相続税制が変わる前の平成
26年以前に関わる贈与については、すべての贈与で一律の税率となっていました
が平成27年以降の改正で全体的に税率が引き下げられており、減税となっていま
す。
どのように変わったのか、一度確認しておきましょう。

生前贈与の税率は、同じ金額の贈与であっても“誰から誰に贈与するか”によって
異なります。
祖父母や父母などの直系尊属から、20歳以上の子や孫などに対する贈与について
は、特例贈与となり、通常の一般贈与とは異なる税率が適用されます。この特例税
率は一般税率よりも優遇されており、税率は低くなっていることから、贈与を検討
する際にはこの特例税率を賢く利用することも視野に入れておくと良いでしょう。

贈与を受ける側の子や孫が、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であれば
この税率が適用されることとなります。但し、直系である必要がありますので、義
理の父母などからの贈与はこれに該当しません。

なお、この特例税率を適用する場合で、次の①または②のいずれかに該当する時は、
贈与税の申告書に財産の贈与を受けた人(受贈者)の戸籍謄本など「贈与者の直系
卑属に該当することを証する書類」を添付する必要があります。

①「特定贈与財産」のみの贈与
基礎控除(110万円)控除後の課税価格が300万円を超える時

②「一般贈与財産」と「特例贈与財産」の両方の贈与を受けた場合
両方の財産の価額の合計額から基礎控除(110万円)を控除した後の課税価格
が300万円を超える時

なぜ300万円かというと、「一般税率」では「300万円超」から20%の税率
になるためです。つまり「300万円超」から「一般税率」と「特例税率」の違い
が出てきます。
このように暦年贈与を検討し、その贈与額が410万円を超える場合はこの「特例
税率」が適用されるかどうか見極めることが、今般改正となった相続税制から必要
になりました。